北海道・三陸沖後発地震注意情報

2025年12月09日02時00分 発表

 昨日(8日)23時15分頃に、青森県東方沖を震源とするマグニチュード(M)7.5の地震が発生しました。

 この地震の震源位置や規模を精査した結果、この地震は日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の想定震源域に影響を与える場所で発生したモーメントマグニチュード(Mw)7.4の地震で、国の基本計画である「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進基本計画」に定められている、後発地震への注意を促す情報を発表する基準を満たす地震でした。

 この地震の発生により、北海道の根室沖から東北地方の三陸沖にかけての巨大地震の想定震源域では、Mw8クラス以上の新たな大規模地震が発生する可能性が平常時と比べて相対的に高まっていると考えられます。

 今後、日本海溝・千島海溝沿いで想定されている最大クラスの津波を伴う巨大な地震が発生した場合、太平洋沿岸などの広い範囲で高い津波が到達すると想定されており、特に北海道から千葉県の太平洋沿岸域を中心とする地域においては、巨大な津波が到達する可能性があります。また、広い範囲で強い揺れが想定されています。

 世界の大規模地震の統計データでは、過去100年程度の間(1904年から2017年)に発生したMw7.0以上の地震1,477事例のうち、地震が発生した場所から500km以内の領域で、その地震発生後7日以内にMw8クラス以上(Mw7.8以上)の地震が発生したのは17事例であり、発生頻度は百回に1回程度となります。このデータには、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震(Mw9.0)が発生した2日前に、Mw7クラスの地震が発生していた事例が含まれます。

 確率は低いものの新たな大規模地震が発生する可能性があることから、これらの地域では、地震への備えの再確認をしてください。加えて、津波の浸水が想定される地域では、揺れを感じたり津波警報等が発表されたりした際にすぐ避難できる準備をしてください。詳細な防災対応は、政府や各自治体からの呼びかけに従ってください。

 気象庁では、引き続き注意深く日本海溝・千島海溝沿いの地震活動を監視し、適宜情報発表を行います。

※モーメントマグニチュード(Mw)は、震源断層のずれの規模を精査して得られるもので、地震発生直後に地震波の最大振幅から計算し津波警報等や地震情報の発表に用いるマグニチュードとは異なります。

※この情報は、大規模地震の発生可能性が平常時と比べて相対的に高まっていることをお知らせするものであり、特定の期間中に大規模地震が必ず発生するということをお知らせするものではありません。